S-Collection株式会社 イベント運営について

S-Collection株式会社の数百~数万人規模のイベント企画・運営・コンサルティング事業

「本当はやってみたい!」を叶えるイベント=ハロウィン!②

多様な「やってみたい」を可能にするハロウィンイベント

前回、『「本当はやってみたい!」を叶えるイベント=ハロウィン!① - S-Collection株式会社 イベント運営について』では日本でハロウィンが定着した理由を製菓メーカーの販売戦略の面と若者のニーズの面から紹介しました。それでは、思い思いに仮装した人たちはどこへ出かけて行くのでしょうか。
株式会社マクロミルによる2016年の調査によると、東京近郊に限った場合、仮装をして出かける人の約40%が渋谷に行くという結果でした。今回はハロウィンのメイン舞台になっている渋谷からはじまり、東京近郊の各地の取り組みから、今後広がりが期待されるハロウィンイベントの可能性を紹介します。

 

1.渋谷の「自然発生型」!街をあげてハロウィンイベントへ

仮装をして出かける街としてダントツ1位だったのが渋谷です。渋谷ヒカリエはコンテスト形式の仮装イベントを開催しています。これは建物内で行われており、仮設更衣室を用意したり、過剰な露出を禁じたりするなど、メディアで取り上げられる狂騒した様子のハロウィンとはまったく別のものです。
街を練り歩いているのは、イベント参加を目的とせず、友人と仮装して、同じように仮装した人たちのなかで過ごしたいという人たちです。いわば「自然発生型」のハロウィンと言えます。仮装やメイクなどに必要な施設を提供する主体がないため、社会問題化しているのではないでしょうか。
渋谷区と近隣の企業などは、マナーの向上を目指して「ハロウィンごみゼロ大作戦in渋谷」への参加を促しています。有志ではじまったこの取り組みにより、自然発生的にはじまった渋谷のハロウィンは街全体をあげたハロウィンイベントへと変わりつつあると言えます。

 

2.池袋、川崎の「先導型」主催者側の想いが全面に

一方で、池袋ではイベント企画者による「先導型」ハロウィンイベントが行われています。
『池袋ハロウィンコスプレフェス』は、仮装ではなくコスプレという言葉に主催者の意図を読み取ることができます。主催として運営制作を手がけるのは、niconicoで総称されるインターネット動画配信サービスを提供する株式会社ドワンゴです。さらにアニメ、コミック、ゲーム関連商品の販売チェーンを展開する株式会社アニメイトホールディングスが主催として加わり、狙いのはっきりとしたイベントになることが予想されます。
「先導型」ハロウィンイベントをもうひとつ紹介します。神奈川県の川崎市で行われている『カワサキ ハロウィン』です。ラ チッタデッラという映画館をメインとした商業施設が発展させてきたハロウィンは、不朽のスリラーシネマ『ロッキー・ホラー・ショー』をお手本にしたかのような本格的なゾンビや魔女の仮装をした人が集まることで名を上げました。毎年、3,000人の参加者からなる仮装パレードを見ようと、10万人以上の人が詰めかけます。誘導と区画整備のために川崎市の大きな協力を得られているため、小さな子ども連れでも安心して楽しめることは「先導型」ハロウィンの良い面と言えます。

 

日本におけるハロウィンは、実は仮装すること以外、何をするものなのかはあまり定まっていません。決まったものがないからこそ、まったく性格の異なるイベントとして各地で展開されるようになりました。今回紹介した地域以外でも多くのハロウィンイベントが催されています。そのどれもが唯一無二のイベントに昇華する可能性を秘めています。
S-Collection株式会社は今回紹介したイベントがそれぞれ独自のカラーをもっているように、自由で独創的な発想を大切にし、お客さまや企業様に喜ばれるイベントを企画、運営していきます。

「本当はやってみたい!」を叶えるイベント=ハロウィン!①

秋定番のイベント!ハロウィンが注目されるようになった理由とは

ハロウィンと聞いて思い浮かべるのは狂乱ともいえる渋谷での盛り上がりではないでしょうか。もともとは子どもたちが主役のイベントが、今では大人も楽しめる秋の定番イベントとして大注目されるようになりました。人気イベントとして多くの人を魅了するまでにどのような要因があったのでしょうか。今回は、ハロウィンがここまで注目され、秋の定番イベントとして浸透した背景を紹介します。

 

1.はじまりは製菓メーカーの戦略と親心

ハロウィンが社会的に認知されるようになったのは、バレンタインがそうであったように製菓メーカーがきっかけでした。1976年に売り出されたハロウィンを題材にした菓子製品は、当時の好景気もあって売り上げを伸ばしました。
そののち、経済の落ち込みとともに存在感を薄めたものの、お盆からクリスマスまでの数少ない秋のイベントとして市場は保ち続けられました。2002年に行われた調査によると、35-44才の半分近い人がハロウィンをおこなっていると答えています。ほかの世代が20%前後という数字と比べると、かなり多いことがわかります。
35-44才はちょうど小中学生の子どもがいるような世代にあたります。自分自身が楽しむというよりは、子どものためにハロウィン関連商品を購入したり仮装させたりしていたのでしょう。親の心配りによりハロウィンは楽しいものだと覚えた当時の小中学生が、2018年になった今、いわゆる「若者」になり街に繰り出していると推測できます。

 

2.ハロウィン=仮装となった理由は?

その若者たちを後押ししたのが、2000年代における日本社会の2つの変容です。
1つ目は、社会的空気の変容です。コスプレといえばオタクを連想する人も多いのではないでしょうか。気持ちが悪い、根暗というネガティブなイメージが強いオタク文化ニュートラルに受け止める空気が徐々に形成されました。それにともなってコスプレをかわいい、かっこいいファッションとしてとらえる人が増えました。オタクではないけどコスプレには興味がある、という心情を見事にキャッチしたのがハロウィンの仮装という要素だったのです。
2つ目の変容は、このように仮装(コスプレ)に興味をもった人が簡単に衣装を手に入れられる環境が整ったことです。アマゾンジャパン合同会社をはじめとするネットショッピングの普及によって、イメージどおりのコスチュームを購入できるようになりました。実際、2016年に一般社団法人日本ホームパーティー協会が行った調査によると約65%の人がインターネット通販のサイトを利用して衣装を購入していると回答しています。また、2016年に株式会社マクロミルによって行われた調査では、ハロウィン消費としてひとりあたり4,958円を支払っているという結果でした。これはコンビニでかぼちゃプリンを買うだけの人も含んだ平均金額なので、年に1回の仮装を積極的に楽しむ人たちはもっとお金をかけていることでしょう。

 

日本におけるハロウィンは、小中学生の親世代に向けた製菓メーカーの販売戦略からはじまり、コスプレを楽しみたいという若者のニーズを捉えたことで、急速に定着してきました。次回「本当はやってみたい!」を叶えるイベント=ハロウィン!②」ではそれがどのようなイベントに育っているのかを紹介します。

「GTC Japan 2018」多様性ある環境に新たな学びがある!

豊富なコンテンツと切磋琢磨し合えるコミュニティが人気の秘訣!

近年、人口知能(AI)は著しく発展しています。
以前、『「ロボカップ」が今アツイ!ロボットが繰り広げるサッカー大会とは? - S-Collection株式会社 イベント運営について』では、AIや機械技術などの研究成果を披露する場にもなっている「ロボカップ」について紹介しています。
ここ10年では、コンピュータがチェスの世界チャンピオンに勝利したり、コンピュータ技術の自動化により人間の仕事がとって代わる可能性が議論されたりするなど、常に注目を集める存在となっています。
そんなAI技術の開発者が集う日本最大級のイベントが「GTC Japan 2018」です。2018年は9月13日~14日に開催されました。
「GTC Japan 2018」は年々規模を拡大しており、10回目の今回は5,000人もの技術者が集いました。規模を拡大しつづける背景に、イベントとしてどのような魅力があるのでしょうか。今回はその魅力を紹介します。

 

1.学び満載!最新技術をインプット&アウトプット!

「GTC Japan 2018」は日本最大級のAIイベントで、AIエッジコンピューティングやロボット、ドローン開発やHPC(high-performance computing=高性能計算)関連技術者などが一堂に会しました。
参加企業は著名な企業ばかりで、Google LLC、株式会社フジクラ、株式会社小松製作所、株式会社ウェザーニュース、株式会社Preferred Networks、ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社などが講演しました。
そのほかに、今話題のVR(バーチャル・リアイティ)や自動車自動運転化の分野など、100以上のテクニカルセッションが行われました。
座学による理論的な内容をインプットする場がある一方、知識を実践で学べる体験型トレーニングもあり、技術者がアウトプットして学べる場も用意されています。
このように、「GTC Japan 2018」は、第一線で活躍する技術者が集い、最新の情報を得られる機会を提供しています。だからこそ、今年で10回目と、規模を拡大しながら継続して開催されていると言えます。

 

2.多くの技術者が集まるその魅力とは!?

「GTC Japan 2018 」を主催するNVIDIA(エヌビディア合同会社)は、「テクノロジによって世界の問題を解決することは、世界中の多様なグループから多様な視点を集め、まとめること」として、参加者の多様性を大切にしています。国、性別、人種、どんな人であっても参加できるオープンな研究コミュニティだからこそ、思わぬ発見から技術発展につながる可能性があり、技術者同士で切磋琢磨して成長する機会も生まれます。

 

 このように「GTC Japan 2018 」は最新の情報が得られる場所としての付加価値を提供しています。また、目的を成し遂げるために広く視点を集め、多様性を大切にする文化があるからこそ多くのAI開発者が魅了され集まっていると言えます。
S-Collection株式会社も企業様やお客さまに喜んでいただけるよう、枠にとらわれることなく、付加価値のあるイベントを企画、運営していきます。

World Business Expo 2018 開催レポート

本物の成功者からのメッセージ


2018年10月6日に「World Business Expo 2018〜2人の金持ち父さんからの教え〜」が開催されました。TSUTAYAビジネスカレッジ、ウェーブリンク株式会社、およびS-Collection株式会社の3社の共催で実現した講演会です。
『金持ち父さん貧乏父さん』で有名なロバート・キヨサキ氏と世界でも有数のミリオネアメーカーと呼ばれているロバート・アレン氏をメインスピーカーとしてお呼びしました。
ロバート・アレン氏はロバート・キヨサキ氏を不動産投資などのミリオネアになる方法を教えたメンターであり、不動産投資以外にもさまざまなビジネスで成功者をたくさん輩出した実績があります。また、この講演会にコラボレーションする形でパフォーマンスの時間が設けられており、そこで登場したパフォーマンスアーティストのSeiji Yamauchi氏についても紹介していきます。

 

1.成功の第1歩は行動すること!!


2人のロバート氏の講演会には、学びたいと意欲の高い1万人を超える来場者が足を運び、会場を埋め尽くしました。この対談から感じたことは、エネルギーの高さとコミットメントです。
ロバート・アレン氏はご自身の経験から、人はお金がない状態で行動を変えようとするとき恐怖心が出てくると話されていました。富を築くために大切なことは、メンターをつくり、考え方を学ぶことです。天才でなくても、何もないところからでも行動し、実践することが大事であることを強くメッセージとして出されていました。
ロバート・キヨサキ氏は来日する1週間ほど前に体調を崩し、医師からは日本には行けないとまでいわれていたそうですが、そのような状態でもメッセージを伝えようという姿勢やこだわりから成功する人の行動の選択基準を垣間見ることができました。

 

2.さまざまな分野の融合の時代へ


今回パフォーマーとして会場を沸かせたのが、表現者として新たなチャレンジをつづけているSeiji Yamauchi氏でした。Seiji Yamauchi氏は「情熱の融合=Fusion of Passions」をコンセプトに、芸術のみならず文化や音楽、食も含めさまざまな分野の情熱を融合し、次世代に繋ぐ新たな芸術を創造している方です。
会場では和太鼓や音楽に合わせて、ステージに用意された2m×5mの巨大なキャンバスを日本刀で切り裂き、大きな筆を刀のように振り回して絵を描きました。シンボルとして描かれた、目は「野心」、ひとさし指は「向上心」、鷹は「先見性」、そして描き樣は「情熱」を、それぞれ表現しています。Seiji Yamauchi氏は、ビジネスのみならず表現する事に通じる大事な要素として捉えており、才能は世の中に貢献するためのもの、とさまざまなジャンルのスペシャリストと共演されています。
今回の15分間のパフォーマンスで完成した作品がこちらです。

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S-Collection株式会社は、創業当初からライブ・講演会事業を通じて多くの方々とのつながりを大切にしてきました。イベントの企画運営をとおして、さまざまな分野を融合させたり、新たな価値を創造したりしながら、20代、30代の若者の夢の実現をサポートする具体的な仕組み・活躍の場をこれからも提供していきます。

時代とともに変化するイベントに注目!400年の歴史ある神田祭が今アツい!

時代に合わせてお祭りも変化!

日本三大祭り(祇園祭天神祭神田祭)、江戸三大祭り(深川八幡祭、山王祭神田祭)のひとつである神田明神の「神田祭」は、江戸時代からつづく伝統あるお祭りです。
毎年5月中旬に本祭(ほんまつり)と陰祭(かげまつり)が交互に行われています。2018年は陰祭でしたので、2019年には見どころとされる神輿宮入が盛大に行われる予定です。
今回は「伝統あるお祭り」という枠に捉われず、SNSやアプリ、アニメともコラボレーションするなど、時代とともに変化して若い世代からも注目を集める神田祭を紹介します。

 

1.伝統のなかに新たな楽しみ方の提案!

神田明神祭とも呼ばれる神田祭の起源は、一説では約400年前の徳川家康の天下統一を祝う、徳川家縁起のお祭りであると伝えられています。
約400年の伝統ある神田祭ですが、近年ではITを活用した新たなお祭りの楽しみ方を提案しています。そのひとつの事例として、神輿や山車などにライブカメラを取り付けてお祭りの様子を生中継する『神田祭ライブ』です。参加者やその場で見物している人は熱気を感じることができる一方で、お祭りの全体像は見えにくいとうことに着目しました。ライブ映像によってお祭りの全体像を俯瞰する楽しみ方を提案しています。
そのほかにもアプリやスマートフォンを活用しながら、若者がお祭りに参加できるような仕組みを取り入れて、神田祭は時代に合わせて変化しています。

 

2.神田祭 × 『ラブライブ!』異色のコラボレーション!

神田祭は、1616年江戸城増築の際に現在の外神田へ遷座(せんざ)*1しています。2015年神田祭遷座400年を記念し、テレビアニメ『ラブライブ!』との異色のコラボレーションが実現しました。
ラブライブ!』はユーザー参加型のスクールアイドルプロジェクトとして始まったアニメで、神田明神は登場人物の実家という設定で登場し、『ラブライブ!』の聖地ともいわれています。絵馬やお守りなど神田祭のコラボレーショングッズも販売され、大賑わいをみせていました。
さらに2017年には、テレビアニメ『ご注文はうさぎですか??』とのコラボレーションも実現しています。
神田祭では、新しいことを次々に取り入れて、もし廃れてもそれは神社に合わなかっただけと考え、まずはやってみることを大切にしています。
最新のIT技術を取り入れて伝統に収まらないチャレンジをしつづけるその根底には、老若男女、特に若い世代にもお祭りに参加し、楽しんでもらいたいという想いがあります。

S-Collection株式会社では、夢に向かって努力する若者を応援するという想いをもって、これからも時代の流れを先取りしてチャレンジしつづけ、企業様とともに新たな価値を創造していきます。

*1:神仏または天皇の座をほかの場所に移すこと

秋の味覚と美酒!美酒イベントの魅力とは?

人気の秘訣は、その場で試して、その場で買えるお手軽さ!

食欲の増す秋の季節は、グルメ系のイベントが盛りだくさんです。特に、ビール、ワイン、日本酒などのお酒と秋の味覚を一緒に楽しめる美酒イベントが年々人気を増しています。以前、『日本にも海外の風を!コラボレーションイベント増えています♪ -Part2- - S-Collection株式会社 イベント運営について』でも紹介したオクトーバーフェストも、人気美酒イベントのひとつといえます。
今回はそんな美酒イベントの魅力をお伝えしていきます。

 

1.来場者と出展者、どちらもうれしい体験型イベント!

秋の時期にお酒を扱うイベントは多く開催されていますが、特に人気を集めているのが、ワインに関するイベントです。東京都内にはワインの輸入業者やワインを販売する企業の本店が多く、日本国内外から多くの生産者が集っています。そのため、東京都は全国で一番ワインを扱うイベントが開催されており、定員数が数百人規模のワインイベントも開催されています。
ワインイベントでは、数百種類のワインのなかから、普段はなかなか味わえないワインを試飲し、自分の好みに合う1本を見つけることができます。来場者側としては、手を出しづらい銘柄のものでも、自分の納得のいくまで試飲することができます。出展者側としても多くの来場者へ自分の商品をアピールできるというメリットがあります。
このように、来場者と出展者、両者にメリットがあることは、集客において重要なことです。

 

2.集客効果絶大!イベントのコンセプトとその価値づけとは?

イベントのコンセプトは集客においてとても重要な要素です。
イベントのターゲットを明確にし、求めているニーズと一致したものを提供するからこそ、イベントに価値が生まれます。
たとえば9月14日から11日間にわたって東京ミッドタウンで開催された「2018秋のワインフェス」は、世界各国から厳選された120種類のワインをその場で試飲することができます。ワイン好きにとっても、これから自分の好みに合うワインを見つけたいという方にとっても、楽しめるイベントです。また、秋の味覚としてワインに良く合う旬のアミューズタパスも販売され、さらなる人気につながっています。夜は21時まで開催されており、日中忙しい社会人が参加しやすいということも、例年約8,000人の来場客で賑わう要因のひとつと言えるでしょう。

このように、ワインや旬の味覚という多くの人が共感できるコンセプトだからこそ、幅広い年齢層から支持されるのでしょう。S-Collection株式会社も、お客さまの多様なニーズをとらえ、価値を感じていただき喜ばれるイベントの開催をサポートいたします。

ボジョパってなに?!視点を変えたイベントで新たな強みを!!

ボジョレー・ヌーボーの解禁日をみんなで祝う!

「ボジョパ」はボジョレー・ヌーボー・パーティーの略語です。そもそもボジョレー・ヌーボーは珍しいことにその販売に関して「解禁日」が定められています。ワインというと熟成させたワインに価値があるように思われがちですが、ボジョレー・ヌーボーはフレッシュワインに種別され、新鮮であるほうがおいしいといわれています。
「解禁日」が定められた目的は、販売元が利益を求めて他店より早く出荷し、未完成のワインが市場に出回るのを防ぐことです。フランス政府が毎年11月の第3木曜日、深夜0時に日付が変わる前に販売してはならないと定めたことが世界的なルールとなっています。同じ日に世界中の人が同じワインを楽しむ、という素敵な解禁日のルールづくりは今回紹介しますボジョレー・ヌーボーの戦略の一つです。

1.ボジョレー・ヌーボーがつくり上げてきたイメージ

新鮮なほうがおいしい、しかもフランス政府が解禁日を定めていると聞くと興味が湧いてくるものです。ぜひもっとも新鮮である解禁日に味わいたいものだと思いませんか?
そう考えたのは、日本がボジョレー・ヌーボーの輸入をはじめた1970年代後半の人々も同じでした。当時はバブル時代、憧れのフランスからの希少価値のある舶来酒は一躍有名になりました。ホテルの宴会場を貸しきり、日付が変わった瞬間にコルクを抜くパーティーも催されていました。日付境界線に近い位置にある日本はフランスよりも早く日付が切り替わるので、本国よりも早く味わうことができるという優越感もあったことでしょう。
1970年代後半から世間に知れ渡り、年々高まる需要に対して供給は充分ではありませんでした。そのため解禁直後に完売となり、なかなか手に入らないという現象が起こり、解禁日に手に入れて飲む特別なワインという価値が形成されました。
一方で、2018年となった今、かつてのイメージは現実とマッチしなくなっています。輸入量を増やしつづけたため、現在では年末近くになっても店頭にボジョレー・ヌーボーを見ることができるようになりました。手に入りやすくなった一方で、期間限定で手にはいる希少なワインという価値は薄れました。
また、1990年代の酒類販売に関する規制緩和によって、ドラッグストアやスーパーなどがワインを取り扱えるようになりました。日常で利用するお店で買えるようになったことが希少な舶来品というイメージに変化をもたらしました。

2.変化は新しい価値を生み出すチャンス

解禁日に飲む特別なワインというイメージと現実にギャップができ、ボジョレー・ヌーボーには新しい価値が必要となりました。従来の価値がなくなったときは、それに代わる価値をつけるチャンスでもあります。そこで打ち出されたのが「ボジョパ」です。ホテルを貸しきって解禁日を祝っていたと前述しましたが、近年のボジョパは個人経営のペンション、街なかのバー、あるいは自宅というように、よりカジュアルな場所で行われています。安く気軽に買えるようになったことがひとつの要因といえるでしょう。旬のワインを片手にみんなで楽しい時間を共有するためのパーティーが現代におけるボジョパといえます。

ボジョレー・ヌーボーの輸入量はピーク時の半分程度と、かつての勢いを取り戻すところまでは達していませんが、現代にあった新しい価値を生み出すという試みに引きつづき注目していきたいものです。
S-Collection株式会社も商品やサービスがもつ価値を多角的に見極め、お客さまにとっての価値は何かを第一に考え、喜ばれるイベントの企画、運営を行っていきます。