【オリンピック】中止?延期?開催地変更??長い歴史で起きた開催の危機やその対応に迫る!
東京オリンピックの開催延期!オリンピックと社会情勢の歴史!
新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受け、2020年3月24日に、2020年東京オリンピックの開催が1年延期されることが決定しました。
1896年に第1回の近代オリンピックが開催されてからの長い歴史のなかで、延期という措置が取られるのは、実は今回がはじめてです。
今回は、さまざまな社会情勢の変化のなかで、過去にオリンピックがどのような危機を迎え、どのような対応をとってきたのかオリンピックの歴史を紹介します。
10ヶ月でローマからロンドンへ!イギリスの偉人ウィリアム・グレンフェルの大活躍!
延期という措置が取られたのは今回がはじめてですが、過去に一度だけオリンピックの開催地が変更になったことがありました。
1908年のオリンピックは、当初ローマで開催される予定でしたが、1906年にイタリアのヴェスヴィオ山が噴火し、都市機能が麻痺してしまいました。
復興に多額の費用がかかるため、イタリアはローマでのオリンピックの開催を断念しました。
しかし、このような事態でもオリンピックが中止になることはありませんでした。国際オリンピック委員会(IOC)は開催地をロンドンに変更し、予定どおり開催することを決定しました。
当時のロンドンでは、すでに1908年 英仏博覧会が開催されることが決まっており、博覧会のためのスタジアム建設計画が進行中だったのです。
オリンピックに向けて、準備期間が10ヶ月という厳しい状況のなか、英仏博覧会スポーツ部門総監督であり、イギリスのオリンピック委員長でもあったウィリアム・グレンフェルが奔走します。
スタジアム建設に目をつけたグレンフェルは、博覧会の計画委員会を説得し、建設中であったスタジアムをオリンピックの当時の平均観客収容数とされる6万6,000人規模にまで拡大させました。
グレンフェルの活躍もあり、イギリスは準備期間10ヶ月で、前回大会の3倍以上の出場者数(2,008人)のオリンピックを無事に開催することができたのです。
中止になったオリンピック!戦争とオリンピックの歴史
これまでに中止になったオリンピックは5回。原因はすべて戦争によるものでした。
中止になったオリンピックとその要因を夏季・冬季に分けて紹介します。
開催年 名称 |
開催国 |
中止の要因 |
1916年夏季 ベルリンオリンピック |
ドイツ |
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1940年夏季 東京オリンピック |
日本 |
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1940年冬季 札幌オリンピック |
日本 |
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1944年夏季 ロンドンオリンピック |
イギリス |
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1944年冬季 コルチナ・ダンペッツォ オリンピック |
イタリア |
上記以外にもオリンピック自体は中止にはなっていませんが、人種差別によりボイコットが行われたオリンピックがありました。1936年のベルリンオリンピックでは、アドルフ・ヒトラーがユダヤ人選手の参加を禁止し、アメリカ、イギリス、フランスなど多くの国が参加をボイコットしています。
こうしてみると最多の中止回数を記録しているのはなんと日本です。以前、夏季オリンピックと冬季オリンピックは同じ年に開催されていて、日本では1940年に2度オリンピックを開催予定でしたが、日中戦争のためにその機会を逸してしまいました。
この時、IOCは開催地の変更を検討し、最終的にヘルシンキでの開催を決定しました。しかし、1939年にソビエト連邦がフィンランドに侵攻したことでオリンピックの中止が決定しました。
そのあとは1948年のロンドンオリンピックから再開されましたが、戦争の責任を問われ、日本とドイツは招待されませんでした。
オリンピックは国を挙げての一大イベントであり、現在までに戦争以外の理由では中止されていません。「スポーツの祭典」といわれるオリンピックに対し、各国が力を入れて取り組んでいることが伝わります。東京オリンピックが中止ではなく延期になった背景には、日本だけではなくIOCや各国の想いがあってこその判断だったことが伺えます。
S-Collection株式会社は、一大イベントであるオリンピックからもイベントの在り方や対応を学び、お客さまに喜ばれるイベントを開催していきます。